勉強法

【構造主義のおすすめ本7選】初心者から上級者向けまでの書籍を紹介

構造主義 本

構造主義の知識は書籍から学ぶことをおすすめします。

構造主義を理解するためにはいくつかの重要なポイントがあり、それらのポイントを押さえることで、全体像を把握することができます。

その手段として、書籍を読むことは必須となります。

しかし、あなたは、

「構造主義は難解で、読んでも理解できないんじゃないか…」

「そもそも、学術書を読みきる自信がない…」

と考えているかもしれません。

大事なのは、あなたのレベルにあった書籍を選択することです。構造主義のルーツは言語学にあり、構造主義という思想からは一見かけ離れているようにみえます。そのため、最初からすべてを理解し切ろうとすると、泥沼にはまります。

まずは詳細をすべて理解できなくても、構造主義を根底から支える重要なポイントを押さえるべきです。そして、あなたのレベルにあった書籍を何冊も読むという経験から、知識を獲得していきましょう。

この記事では、初心者、中級者、上級者のそれぞれに向けて本を紹介しています。

ぜひ興味のあるものから手に取ってみてください。

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構造主義のおすすめ本:初級編

いきなり中級編・上級編は早いと思う方におすすめなのは、初学者に向けて解説した書籍です。構造主義に関する良質な解説本は、さまざまな論者によって書かれています。

これから紹介する本は、構造主義に関する知識が全くないという方におすすめです。

①『はじめての構造主義』

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『はじめての構造主義』は、構造主義の解説書の古典本です。「構造主義とはなんぞや?」と疑問に対して、著者の橋爪大三郎は「ちょっと進んだ高校生、いや、かなりおませな中学生」(3頁)にわかるように解説してます。

獲得できるスキル 構造主義の基本的な知識
こんな人におすすめ 前提知識ゼロから構造主義を学びたい方
良い点 構造主義の基本的な考え方・与えた影響等が解説されています。構造主義の概要を押さえることができます。
悪い点 特にありません。強いていうなら、初学者向けの本ですので、「マルクス主義との関係」や「実存主義との論争」を深く掘り下げて解説をしているわけではありません。

②『寝ながら学べる構造主義』

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文藝春秋
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『寝ながら学べる構造主義』では、著者の内田が「構造主義の四銃士」と呼ぶ、フーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンの解説をしています。

獲得できるスキル 構造主義の基本的な知識
こんな人におすすめ 前提知識ゼロから構造主義を学びたい方
良い点 幅広い学問分野で影響を与えた構造主義の議論を、それぞれの分野における代表的な論者から解説されています。
悪い点 こちらもあくまでの解説本ですので、それぞれの論者の議論を深く掘り下げてるわけではありません。

構造主義を代表する論者をそれぞれ学びたい方には、次の解説本もおすすめです。

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構造主義のおすすめ本:中級編

さて、構造主義を学ぶ上で避けることができないのは言語学です。

より具体的にいえば、「ソシュールの言語学」「ヤコブソンの音韻論」は必ず理解する必要があります。

これらについて、学べる書籍を紹介してきます。

③『ソシュールの思想』

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ソシュールは近代言語学の父といわれる、言語学界の大家です。構造主義が誕生する歴史を学ぶと、必ずソシュールの構造言語学が登場します。それはソシュールの言語学が構造主義の土台となっているからです。

『ソシュールの思想』では、「ラングとパロール」「シニフィアンとシニフィエ」という構造主義の必須概念が解説されています。著者の丸山はソシュールを深く理解した学者の一人で、説明も丁寧で非常にわかりやすいのが特徴です。

獲得できるスキル 構造主義の前提となる、構造言語学の知識
こんな人におすすめ 構造主義の基層となる考えを知りたい方
良い点 ソシュールの言語学をまとめて学ぶことできます。人間社会における「ことば」の役割を深く考えたソシュールの思想は、構造主義を学ぶために必須です。
悪い点 構造主義に関する本というよりも、構造主義が前提とする考えを学ぶ本です。

ソシュールの言語学に関しては、次の書籍も大変有益です。

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④『ヤコブソン・セレクション』

より正確にいえば、ソシュールの言語学によって発展したヤコブソンの音韻論が、構造主義の土台となっています。簡単にいうと、音韻論とは言語がどんな音から成り立っているのかを調べる研究を指します。

音韻論はプラーグ学派と呼ばれる東欧の言語学者のサークルで発展したもので、代表的な論者の一人にローマン・ヤコブソンという人物がいます。

名前を覚える必要はありませんが、彼の議論を『ヤコブソン・セレクション』から学ぶことは、構造主義を理解するために非常に重要です。

獲得できるスキル 構造主義の前提となる、音韻論の知識
こんな人におすすめ 構造主義の基層となる考えを知りたい方
良い点 ヤコブソンの音韻論を理解することは、構造主義を理解することと等しいです。
悪い点 こちらも構造主義に関する本というよりも、構造主義が前提とする考えを学ぶ本です。構造主義という思想に興味のある方には、少し遠回りに感じるかもしれません。

構造主義のおすすめ本:上級編

レヴィ=ストロースの他にも、構造主義を学ぶ上で押さえて起きたい議論があります。

構造主義に関する知識がないと難しいかもしれませんが、構造主義に関する読書経験の有無にかかわらず挑戦したい本です。

⑤『野生の思考』

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野生の思考』は構造主義を世に広めた本です。著者はフランス人人類学者のレヴィ=ストロースで、内容は「未開人」のトーテム的思考や神話的思考が文明人の科学的思考と同様に合理的な理論に基づくことを主張したものです。

構造主義者と呼ばれる学者は多くいますが、レヴィ=ストロースはその第一人者です。事実、初級編で紹介した『はじめての構造主義』では、レヴィ=ストロースの思想に焦点が当てられて解説されています。

『野生の思考』は構造主義の勃興を促し、サルトルの実存主義に死亡宣告をした「伝説」の書籍です。ぜひ、読んでみてください。

獲得できるスキル 構造主義の本質を学べる
こんな人におすすめ 言語学を理解した上で、構造主義を学びたい方
良い点 構造主義的な考え方が凝縮されており、その本質を理解するためにとても大事な本です。
悪い点 人類学という学問分野を理解していないと、読みにくい点があるかもしれません。

レヴィ=ストロースの思想を学ぶためには、次の書籍もおすすめです。

⑥『監獄の誕生』

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フーコーはある時代や制度による目に見えない権力の働きに関心をもっていました。研究対象とした事例はレヴィ=ストロースと異なるものでしたが、構造主義という似たような考え方をしていました。

『監獄の誕生』では、監獄をとおして形成される近代的な主体の議論がされています。レヴィ=ストロースが抹消した主体は、フーコーによって歴史をとおして括弧付きで復活している点がポイントです。

獲得できるスキル 構造主義の考え方を学べる
こんな人におすすめ 構造主義を深く理解したい方
良い点 レヴィ=ストロースが歴史をもたない社会を対象にしていましたが、フーコーは歴史をもつ近代西洋社会を対象としています。目に見えない制度と権力の結びつきを学べます。決して難解ではありません。
悪い点 フーコーの方法論は問題視されることがあります。その点に敏感になる必要があるかもしれません。

フーコーは時代ごとに、研究対象が変化します。それぞれの時代における研究をあわせて読むと、理解が深まります。

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⑦『神話作用』

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著者のロラン・バルトは上記したソシュールの言語学とヤコブソンの音韻論を使いこなし、主に文学とさまざまな文化現象を分析した思想家です。記号論テクスト論、写真、映画まで広範囲を対象とするバルトは、構造主義の四銃士の一人とされています。

バルトが用いる記号論を学ぶには、『神話作用』が一番です。プロレスやストリップなどの多様な文化現象にひそむ見えない「構造」を、バルトはとりだすことに成功しています。構造言語学を理解した方には、非常に刺激的な書物です。

獲得できるスキル 構造主義の考え方を学べる
こんな人におすすめ 構造主義を深く理解したい方
良い点 写真、映画、ポスター、物品などの文化現象に存在する構造を、記号論を用いてわかりやすく分析しています。私たちに身近な現象ですので、比較的わかりやすくのが特徴です。
悪い点 分析の仕方がワンパターンと思うかもしれません。

バルトの文学批評は、次の書籍がおすすめです。

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まとめ

どうでしょう?あなたが関心を持てる本はありましたか?

ここで紹介した本は、きっかけにすぎません。あなた自身でどんどん本を見つけて読んでみてください。

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