日本政治

【非正規雇用問題とは】現状・原因・実践されている政策をわかりやすく解説

非正規雇用問題とは

非正規雇用問題とは、正規雇用に比べて不安定な雇用形態である非正規雇用が広がることで、社会において「経済格差の拡大やワーキングプアの増加」「失業への不安や現状への不満の拡大」といった社会問題が生まれている状況のことです。

非正規雇用問題は、特に現役世代にとっては「自分が非正規雇用になって社会的に不利な立場になる可能性がある」「会社で人を扱う立場になり、非正規雇用を活用することになる」ということもある、とても身近な問題です。

しかし、なぜ日本において非正規雇用が増えていると言われているのか、実際のところどのような現状にあるのか曖昧なままである人も少なくないのではないでしょうか?

そこでこの記事では、

  • 非正規雇用問題の現状
  • 非正規雇用問題の原因
  • 非正規雇用問題の対策

について詳しく解説します。

関心のあるところから読んで、より身近な問題として考えるきっかけにしてください。

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1章:非正規雇用問題とは

もう一度確認しましょう。

非正規雇用問題とは、

  • 正規雇用に比べて不安定な雇用形態である非正規雇用の拡大
  • 非正規雇用の拡大によって、経済格差の拡大やワーキングプアの増加、失業への不安や現状への不満の拡大といった社会問題が生まれている

という状況のことです。

非正規雇用問題は、「そもそも誰が『非正規雇用』なのか」が理解されていなかったり、「非正規雇用になるのは個人の努力の問題」と誤った認識を持たれることもあります。

そこでまずは、非正規雇用の定義や現状について確認しましょう。

2章では、日本で非正規雇用者が増える原因となった、2000年代の規制改革について説明していきます。

1-1:非正規雇用の法的な扱い

まずは、「非正規雇用」が具体的に何を示している言葉なのかを見ていきましょう。

非正規雇用とは、正規雇用の対比として使われる言葉で、明確に定義されずに使われることが多いです。ここではまず、政府の統計における3つの区分方法を紹介します。

■雇用期間に基づく区分

  • 常雇(1年以上または期間の定めがない)
  • 臨時工(1ヶ月以上1年未満)
  • 日雇い(1ヶ月未満)

■週の就業時間に基づく区分

  • 正規労働者(週35時間以上)
  • 短時間労働者(週35時間未満)

■勤め先での呼称による区分

正規の職員・従業員、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託社員

(参考:伍賀一道『「非正規大国」日本の雇用と労働』新日本出版社)

一般的には、上記の3つ目の区分で捉えられることが多いです。

ここではこの勤め先での呼称による区分をもう少し見ていきましょう。簡単に表にしてみると以下のようになります。

直接雇用間接雇用
期間  /  時間フルタイムパートタイム
期間の定めなし正社員短時間正社員常用派遣
有期契約契約社員などパート、アルバイト請負、派遣

正規雇用の定義は、①直接雇用であること②雇用期間の定めがないこと③フルタイムであることの3つです。

そして非正規雇用は表の青文字部分、つまり正社員以外の雇用のことを指します。このように雇用の形態によって非正規雇用の中身も様々になっているのです。



次に、正規雇用と非正規雇用の違いが、実際に職場においてどのような扱いの違いになっているのかを簡単に見ていましょう。

正社員非正規社員
雇用契約期間定めなし有期
仕事の範囲や勤務地定めなし、配置転換や転勤限定的
キャリア内部労働市場で昇進限定的
技能育成長期的にスキル形成限定的(定型業務中心)
賃金月給(内部労働市場での職務遂行能力によって決定)時給(外部労働市場の相場によって決定)
  • 内部労働市場:一つの企業内における労働市場のこと。長期雇用や年功賃金が保証され、転職や解雇が困難。企業内の人材で人材登用などがなされる。
  • 外部労働市場:企業外、企業間における労働市場のこと。成果主義で転職や解雇が容易。企業外部から柔軟な労働量確保がなされる。

日本の雇用においては一般的に、正社員はメンバーシップ型、非正規社員はジョブ型と呼ばれる雇用になります。

正社員のメンバーシップ型とは、日本型雇用システムの特徴です。

社員は新卒一括採用で登用され、OJTや社内研修で育成されながらエスカレーター式に昇進し、終身雇用年功賃金を保証されます。その代わりに経営者は社員の業務や勤務地などについて強大な指揮命令権を持ち、時にはそれが膨大な残業や過労死につながると指摘されています。

一方、ジョブ型とは、アメリカなどで一般的ですが、業務や勤務地などはあらかじめ決められており、成果に応じた評価がなされるため、良く言えば柔軟な働き方、悪く言えば不安定な働き方になります。ただし、この非正規社員については、定型業務中心で将来のキャリアを考えたスキル形成もされないため、低い賃金の状態から抜け出せず、また企業との非対称な関係性につながってしまい、結果的に不安定な働き方になってしまう構造にあります。

このように、正規雇用はメンバーシップ型、非正規雇用はジョブ型の雇用に近いものとなっているのです。

近年、「アメリカに倣ってジョブ型の雇用を日本でも取り入れるべき」といった議論がなされますが、上記のようにジョブ型にも問題点はあります。

また、ジョブ型の雇用環境があるアメリカでは、企業内で専門性を高めることが難しいために、大学院などの外部の機関で専門性を高めたり、資格を取ったりする制度や慣行があります。そのため、ジョブ型の雇用制度のみを導入することには、問題点も指摘されているのです。

近年の一般向けの読み物として、日本と他国の雇用環境を詳しく整理した小熊英二の『日本社会の仕組み』があります。ぜひ読んでみてください。

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1-2:日本で起こっている非正規雇用問題の現状

前の節では、非正規雇用を正規雇用と比較しながら、その特徴を説明しました。次に、日本において非正規雇用が実際にどのような現状にあるのかをデータに基づいて説明します。

まずは、就業者の中における非正規雇用の比率について見てみましょう。

下記は、総務省「労働力調査」のデータを基にした厚生労働省の資料です。

非正規雇用問題1

引用:厚生労働省資料(最終閲覧日2020年2月13日)

昭和59年には全体の15.3%に過ぎない非正規雇用労働者ですが、平成30年度には、雇用者全体の37.9%を占めています。平成6年から現在まで緩やかに増加し、この30年強の期間で2倍以上に増加していることが分かります。

非正規雇用の雇用形態別に見てみると以下のようになっています。

非正規雇用問題2

引用:同上

非正規雇用における雇用形態の比率は、

  • アルバイト、パートの比率はやや減少
  • 派遣社員や契約社員、嘱託の比率が増加

という傾向にあることが分かります。



賃金については以下のようになっています。

非正規雇用問題3

引用:同上

このデータから下記のことが分かります。

  • 正規雇用の一般労働者の賃金が全年齢に一貫して最も高い
  • 正規雇用の短時間労働者より、非正規雇用の一般労働者の方が賃金が安い
  • 正規雇用の一般労働者の賃金は、59歳まで年齢を重ねるほど高い傾向がある一方、その他の労働者は賃金の上昇が少ない(特に非正規の短時間労働者は、全年齢を通じて賃金が横ばい)

つまり、一般的によく知られたことではありますが、正規雇用よりも非正規雇用の方が賃金が安く、また年齢による賃金の上昇も少ないということです。

非正規雇用の年齢について見てみると、以下のようになっています。

非正規雇用問題5

引用:同上

平成20年代以降とそれ以前を比べると、55歳以上の割合が高くなってきています。年金収入だけでは生活が困難な高齢者が就労によって所得を補填するという傾向が表れています。

また、非正規雇用労働者を年齢別に見てみると、以下のようになっています。

非正規雇用問題6

引用:男女共同参画局「男女共同参画白書 令和元年版」

どの年齢層においても女性の方が非正規雇用の割合が高くなっていることがわかります。また、男性は定年を過ぎた65歳以上だけ非正規雇用の割合が高いのに対して、女性は年齢による差が男性よりも少ないことも特徴です。

また、正規雇用と非正規雇用の未婚率の統計を見ると、以下のようになっています。

非正規雇用問題6

引用:東洋経済オンライン「女性が直面する「稼ぐほど結婚できない」現実」(最終閲覧日2020年2月15日)

男性の生涯未婚率は、正規雇用より非正規雇用が圧倒的に高いのに対して、女性の生涯未婚率は逆転しています。ここから、非正規雇用は特に男性の未婚率に大きく影響していることがわかります。

また、平成30年の労働力調査から非正規の職員・従業員を男女別に、現在の雇用形態に就いた理由を見てみると、男性は、

  • 2018年平均で「自分に都合の良い時間に働きたいから」とする者が171万に(27.7%)と最も多い
  • 次いで「正規の職員・従業員の仕事がないから」とする者が127万人(20.6%)

となっています。

一方、女性は、

  • 「自分の都合の良い時間に働きたいから」とする者が427万人(30.9%)と最も多い
  • 次いで「家計の補助、学費を稼ぎたいから」とする者が312万人(22.5%)

男女両方において、「自分の都合の良い時間に働きたいから」という柔軟な働き方を理由にする者が最も多い結果になっています。

(参照:平成30年の労働力調査 最終閲覧日2020年2月15日)

1章のまとめ
  • 正規雇用は直接雇用であり、雇用期間の定めがなく、フルタイムの人々のことで、非正規雇用とはそれ以外の人々
  • 日本における正規雇用はメンバーシップ型、非正規雇用はジョブ型に近い雇用形態である
  • 近年の非正規雇用労働者数は、約30年の間で2倍以上に増加しており、派遣社員や契約社員、嘱託社員が特に増加している
  • 非正規雇用労働者は、正規雇用より賃金が低く、特に男性の未婚率と関係がある
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2章:非正規雇用問題の原因

第1章では、非正規雇用の特徴や現状を説明してきました。

それでは、なぜ近年になって非正規雇用が増加し社会問題化することになったのでしょうか?

この疑問に答えるために、まず1節では非正規雇用が時代とともにどのように変化していきたのかを法律も含めながら説明し、2節では、近年の技術革新が非正規雇用問題をさらに難しくしている現状について解説します。

2-1:非正規雇用の変遷、法律の問題

非正規雇用問題は、1980年代以降の法律の変化によって展開してきました。時代区分を大きく2つに分けて説明します。

1980年以降:無策の時代

この時期は人手不足で企業は労働力を必要としていましたが、前述したようにメンバーシップ型の正社員は雇用の調整が難しい存在です。そのため、雇用のバッファーとして、かつ低い人件費で雇うことができる非正規労働者が活用されるようになりました。

そして、この時代の非正規労働者の特徴は、特に主婦がサービス産業を中心に参入してきたことです。その多くはパートタイマーやアルバイトとなり、家計補助を主な目的としていました。この家計補助的な労働という位置付けによって、規制がかからず非正規労働者が増加する理由にもなりました。

ここには、男性が大黒柱で女性はそれを支える存在という「男性稼ぎ主モデル」が背景にあります。

1986年に労働者派遣法が施行された頃は、派遣労働は秘書や通訳といった専門的な業務に限定されていましたが、その後3度に渡って規制緩和にされほとんどの業種において派遣労働が認められるようになり、派遣労働は増加していきます。

1993年にパートタイム労働法が制定され、「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針」が定められましたが、この法律は努力義務だったため、効力はあまりありませんでした。

2000年以降:弱い保護の時代

この時期は、バブル崩壊の影響で就職氷河期を迎え、「フリーター」が増加しました。つまり、それまでは家計補助的な主婦がメインだったのに対して、家計補助が目的ではなく不本意に非正規労働者になってしまう若年男性が増えてきたのです。主婦がメインの時期には非正規雇用は女性政策の一環でしたが、非正規に男性が参入するようになると政策課題とみなされるようになり、徐々に非正規保護の動きが出てきました。

2003年の指針改定では、「日本型均衡処遇のルール」が定められました。

これは、

  • 欧州の同一労働同一賃金を原則とした「均衡処遇」がベースになっている
  • 確かに、職務給が前提となって「仕事」が基準になっている欧州では、この「均等処遇」は効果的だった
  • しかし、責任や就労実態、キャリア管理の方針などの「人」が基準になっている日本では、結局差別的な労働条件を改善する実効性はなかった

というものでした。

例えば、正社員と同じような難しい仕事をこなすベテランパートであっても、日本では低処遇に置かれていることがあります。正社員の方は能力開発のトレーニングの途上であり、また責任を負う立場でもあるとされ、たとえ同じような仕事内容でも、正社員と非正社員の間の格差が結局認められているのです。

2007年には改正パートタイム労働法が制定され、パートと正社員の均衡処遇を確保すること、パートから正社員への転換制度を確立することに努めることとされました。

しかし、その対象は基幹化されたパートに限定され、非正規の4~5%にとどまりました。また、仕事が同じでも転勤などの人事管理の点で違いが残り、同一労働同一賃金にはつながらず、パートの処遇改善の注意喚起という意味でのインパクトにとどまりました。

(参考:伍賀 一道『「非正規大国」日本の雇用と労働』(新日本出版社))



2-2:技術革新

こうした法制度の影響に加えて、近年の技術革新が正規と非正規の二極化をもたらし、非正規雇用問題を難しくしている面もあります。

まず、労働者が従事する業務は以下の3つに分類されます。

  • 抽象業務:分析や企画、交渉、部下のマネジメントなど、抽象的な思考による課題解決が求められる業務。
  • ルーチン業務:製造作業など同じ結果を導く同じ業務の繰り返しが求められる業務。
  • マニュアル業務:接客など相手や時と場合に応じて業務を変える必要があるが、重要な決済や判断を要する事態が発生した時には「抽象業務」担当者に引き継がれる。

コンピュータや情報技術、ロボット技術といった近年の技術の発展は、定型的な「ルーチン業務」を代替して減らし、一方で「抽象業務」を増加させる傾向にあります。

また、「マニュアル業務」は定型的でないため技術進歩の影響は受けにくいものの、高度な専門性が求められることもないため、「ルーチン業務」の減少によって追いやられた労働者の受け皿になりやすい傾向にあります。

このことから、高賃金を得る「抽象業務」を担う労働者(正社員)と、労働集約的で低賃金の傾向にある「マニュアル業務」を担う労働者(非正社員)の二極化が進んでいるのが現状です。

そして、非正規雇用は前述したように、雇用期間が限定され能力開発もほとんどないことから、抽象業務の経験が乏しい非正規雇用労働者はますます正規雇用に転換することが困難になる傾向にあります。そのため、企業や社会において、現場と密接に結びついた職業訓練などを通して「抽象業務」を担う人材を育成していくことが非常に重要になってきているのです。

(参考:阿部正浩・山本勲『多様化する日本人の働き方』(慶應義塾大学出版会株式会社))

2章のまとめ
  • 1986年施行の労働者派遣法はその後の規制緩和によって、ほとんどの業界で派遣労働を可能にし、その結果派遣労働者が増加
  • 技術革新によって、ルーチン業務が機械に代替され、抽象業務を行う正規雇用とマニュアル業務を行う非正規雇用に二極化した
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3章:非正規雇用問題への対策

次に、近年の政府が推進している政策について見ていきましょう。

  • 少子高齢化による労働力不足で女性労働力の活用が求められている
  • 男性が非正規に参入するようになった

といったことから、近年は非正社員の労働条件向上に向けた取り組みが政府によってなされています。

ここでは、一億総活躍プランと働き方改革について取り上げていきます。

3-1:一億総活躍プラン

一億総活躍プランとは、少子高齢化による労働力不足という構造的な問題を改善するために、男性だけでなく女性も、若者からお年寄りまでが活躍することを目指す改革のことです。

「一億総活躍」とあるように、それは性別や年齢のみならず、障害や疾病の有無にも限らず、また一度失敗した方も、社会で活躍できることを目指しています。

この一億総活躍社会を実現するために、政府が掲げているのが「新三本の矢」です。

■新三本の矢

  • 希望を生み出す強い経済
    イノベーションの促進、働き方改革による生産性の向上、地域振興
  • 夢をつむぐ子育て支援
    幼児教育無償化、子育て支援
  • 安心につながる社会保障
    介護離職ゼロ、介護人材の確保、介護サービスの充実

この中でも、特に非正規雇用問題と関わるのが「働き方改革」です。

そして働き方改革の目玉が、同一労働同一賃金の実現で、正規と非正規の不合理な待遇差をなくすことが目指されています。しかし、非正規の待遇改善は企業の総人件費の増加を意味するため、政府がいかに各企業の非正規の賃上げの判断を促せるかが注目されています。



3-2:働き方改革

一億総活躍プランの一環としての働き方改革における、非正規雇用に関する取り組みについて、「正社員転換への取り組み」「同一労働同一賃金への実現」という2つの面から解説していきます。

①正社員転換への取り組み

非正規雇用を正社員にするために、現在「正社員転換・待遇改善実現プラン」が実行されています。

これは正規雇用として働く人を増やし、不本意ながら非正規雇用として働く人を減らしていくことを目的に、平成28年4月から平成32年3月までの期間で行われるものです。

非正規社員は雇用期間が限定され、能力開発の機会もなく非常に不安定な状態です。そのため、有期雇用労働者には「無期労働契約への転換ルール」を着実に実施していくこと、派遣労働者には職業能力を高め正社員としての就業機会を提供することを促す改正労働者派遣法を円滑に施行していくことなど様々な取り組みがなされています。

②同一労働同一賃金の実現

次に「同一労働同一賃金への実現」についてですが、これは正規か非正規化という雇用形態に関らない均等・均衡待遇を確保するためのものです。

非正規社員は正社員と同じような高いレベルの業務でも、低い自給に固定化されている状況があります。また特に派遣労働者は、派遣先が変わるごとに雇用条件や契約内容が変化するため、収入が不安定になりがちです。

これに対して、2020年4月から施行される改正労働派遣法では、派遣元事業主に対して、以下の2点のいずれかを、派遣労働者の待遇で確保することが義務化されました。

  • 派遣先均等・均衡方式:派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇
  • 労使協定方式:一定の要件を満たす労使協定による待遇

参考:厚生労働省「正社員転換・待遇改善実現プラン」資料(最終閲覧日2020年2月15日)

こうした政策が非正規雇用問題への対応として、どこまで効果があるかは分かりません。また近年は、雇用契約ではなく企業が業務委託契約等の契約を個人と結びつつも、実際には労働者と変わらないような扱いを強いる「名ばかりフリーランス」などの問題もあります。

「社会の変化に合わせた雇用の実現」と「労働者側が不利な立場に陥らないこと」を両立するためには、政府だけでなく個人や企業も当事者として工夫することが重要でしょう。

3章のまとめ
  • 政府は、少子高齢化による労働力不足という構造的な問題を解決させるために、「一億総活躍プラン」で働き方革命やイノベーションの推進を掲げている
  • 働き方改革では、正社員への転換や同一労働同一賃金の実施が政策として実践

4章:非正規雇用問題について学べる本

非正規雇用問題について、理解を深めることができたでしょうか?

ニュースなどでも話題になることが多いため、ぜひ興味を持つきっかけになればと思います。今回は非正規雇用の概観をお伝えしましたが、まだまだ深めるべき点が多くあります。ぜひご自身の関心に合わせながら、以下の文献で理解を深めてみてください。

おすすめ書籍

オススメ度★★★伍賀一道『「非正規大国」日本の雇用と労働』(新日本出版社)

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今回は非正規雇用の概観にとどまりましたが、この本では女性と高齢者それぞれにおける近年の非正規雇用の現状もしっかりまとめています。こうした分野に関心がある方にはぜひオススメの一冊です。

オススメ度★★鶴岡太郎・樋口美雄・水町勇一郎『非正規雇用改革』(株式会社日本評論社)

この本は様々な論者の非正規雇用問題に関する研究成果がまとめられている本です。非正規雇用を様々な角度から切り取って扱っているため、自分の関心に沿って飽きることなく読み進めることができます。

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まとめ

最後にこの記事の内容をまとめます。

この記事のまとめ
  • 日本では平成の約30年の間に非正規雇用労働者が約2倍に増加
  • 特に非正規雇用の中でも、派遣労働や契約社員が増えている
  • 非正規雇用は、1986年以降の労働者派遣法の改正等の規制緩和によって増加

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