科学哲学

【図解】演繹法・帰納法の違い~活用法をわかりやすく解説

演繹法と帰納法とは

演繹法(deduction-method)とは、「普遍的命題」から「個別的命題」を論理的に導き出すこと。帰納法(inductive method)とは、個々の経験的な事実から得られた「個別的命題」から「普遍的命題」を導き出すことです。

演繹法と帰納法、およびこれらの問題点を克服するために生み出されたさまざまな手法は、何らかの研究活動をする上では必ず理解しておかなければならないものです。

なぜなら、これらの概念を理解せずに研究した場合、それは学問・科学として意味のないもの、正しくないものになる可能性があるからです。

この記事では、

  • 演繹法、帰納法の意味や具体例
  • 演繹法、帰納法の実際の使い方
  • 演繹法、帰納法の問題点や、派生したそのほかの手法

についてわかりやすく解説します。

読みたいところから読んでください。

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1章:演繹法とは

それではさっそく、演繹法と帰納法の違いから解説していきます。

このサイトでは複数の文献を参照して、記事を執筆しています。参照・引用箇所は注1ここに参照情報を入れますを入れていますので、クリックして参考にしてください。

それぞれについてもう一度確認しましょう。

  • 演繹法(deduction-method)とは、「普遍的命題」から「個別的命題」を論理的に導き出すこと
  • 帰納法(inductive method)とは、個々の経験的な事実から得られた「個別的命題」から「普遍的命題」を導き出すこと
演繹法と帰納法

学問の方法論として科学者たちによって作られたのが演繹法、帰納法という推論の方法ですが、現代ではビジネスの世界でも使われています。

学問の世界では、論理学科学哲学という分野で研究されますが、あらゆる研究の方法論に共通するため、学生、大学院生や会社で何らかのリサーチをしなければならない方は、必ず理解しておくことが大事です。

また、私たちが日常的に行っている頭の働かせ方も、無意識に演繹法や帰納法を使ったものになっています。

これから順を追って説明していきますが、先にこの2つの手法の違いを表に整理しましたので、確認してみましょう。

演繹法 帰納法
定義 「普遍的命題」から「個別的命題」を論理的に導き出すこと。 個々の経験的な事実から得られた「個別的命題」から「普遍的命題」を導き出すこと。
推論の流れ 抽象的な理論から、具体的・個別的なレベルの結論に下りていく方法。
(抽象度を下げていく)
具体的・経験的な事実から、抽象的な理論へと上っていく方法。
(抽象度を上げていく)
真理保存性
(確かさ)
前提が正しい(真)なら結論も正しい(真)。 前提が正しくても、結論が正しいとは限らない。つまり、帰納法で導き出した答えは、完全に正しいとは言えない。
拡張性 前提の中に結論になるものが含まれているため、新しい知識が得られない。 個別的な命題から新たな答えを得ようとするため、新しい知識が得られる。

これだけでは分からないと思いますので、まずは演繹法から説明します。



1-1:演繹法の意味と具体例

演繹法とは簡単に言えば、すでに知られている理論や法則、前提から、答え(結論)を導き出す考え方のことです。

演繹法の図

いくつか種類があります。簡単に例とともに説明します2戸田山和久『科学哲学の冒険』NHKブックス46-49頁など

■演繹法の具体例

演繹法①三段論法
すべてのAはBである。また、すべてのBはCである。ゆえに、すべてのAはCである

例)すべてのトカゲは爬虫類である。また、すべての爬虫類は卵を産む。ゆえに、すべてのトカゲは卵を産む。

演繹法②モードゥス・トレンス

AならばBである。これはBではない。ゆえに、これはAではない。

例)トカゲならば卵を産む。これは卵を産まない。ゆえに、これはトカゲではない。

演繹法③モードゥス・ポネンス

AならばBである。これはAである。ゆえに、Bである。

例)トカゲならば卵を産む。これはトカゲである。ゆえに、卵を産む。

これはどれも普遍的な命題(前提にしているもの)から、個別的な命題(結論になるもの)が導き出されていることが分かると思います。

ここでの普遍的な命題(前提)とは「トカゲは爬虫類である」「爬虫類は卵を産む」というものです。そこから、結論となる「すべてのトカゲは卵を産む」という命題を引き出しているのです。

日常的にも、例えば、「私は雨の日は頭が痛くなる」「明日は雨の日である」「ゆえに、明日は頭が痛くなりそう」というように、無意識に演繹法を使って仮説を立てていることがよくあると思います。

このように、すでに知られている理論や法則、前提から結論を導き出すのが演繹法という方法です。

演繹法は古代ギリシャのユークリッドが活用しているように、古代からその原型があるものですが、現代ではルネ・デカルト(1596年-1650年)が積極的に用いたものとしても知られています。

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1-2:演繹法の特徴

演繹法の特徴は、前提が正しければ、結論も必ず正しくなる(真理保存性)ということです。つまり、演繹法で導き出された結論は、必ず正しいものになるのです。

たとえば、三段論法として知られる「①すべてのAはB、②すべてのBはC、③ゆえにすべてのAはC」を考えてみましょう。

具体的に言うと、「すべてのトカゲは爬虫類である」「すべての爬虫類は卵を産む」ということが前提となる普遍的命題です。

もし、この演繹で結論が「偽(間違い)」になるとしたら、「爬虫類に分類されないトカゲがいる」かもしくは「卵を産まない爬虫類もいる」のどちらか(もしくは両方)になるはずです。

前提が正しければ結論も必ず正しい。結論が間違いになるなら前提に必ず間違いが含まれているというのが演繹法の特徴なのです。

このように、演繹法は前提の中に結論となるものがすでに入っているのです。このような演繹法の特徴を「真理保存性」と言います。

「演繹法を使えば必ず正しい結論が得られるなら、研究では必ず演繹法を使うべきだ」

と思われるかもしれません。

しかし、実は演繹法には問題があります。それは、前提の中に結論となるものが含まれているために、結論が出たところで新しい知識が得られないのです。

「トカゲが爬虫類である」ことも「爬虫類が卵を産む」ことも知られている世界で、「トカゲが卵を産む」ことを主張しても、何も新しさがありません。それでは研究として評価されません。

そのため、演繹法は次に紹介する「帰納法」とともに活用する必要が出てくるのです。

1章のまとめ
  • 演繹法とは、すでに知られている前提から結論・個別的命題を引き出す推論の方法
  • 演繹法は、前提に結論となるものが含まれているため、前提が正しければ必ず正しい
  • しかし、新しい知識が得られない問題がある
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2章:帰納法とは

さて、次に帰納法について説明します。その前にもう一度先ほどの表を見てみましょう。左側の演繹法については、理解できているはずです。

演繹法 帰納法
定義 「普遍的命題」から「個別的命題」を論理的に導き出すこと。 個々の経験的な事実から得られた「個別的命題」から「普遍的命題」を導き出すこと。
推論の流れ 抽象的な理論から、具体的・個別的なレベルの結論に下りていく方法。
(抽象度を下げていく)
具体的・経験的な事実から、抽象的な理論へと上っていく方法。
(抽象度を上げていく)
真理保存性
(確かさ)
前提が正しい(真)なら結論も正しい(真)。 前提が正しくても、結論が正しいとは限らない。つまり、帰納法で導き出した答えは、完全に正しいとは言えない。
拡張性 前提の中に結論になるものが含まれているため、新しい知識が得られない。 個別的な命題から新たな答えを得ようとするため、新しい知識が得られる。

2-1:帰納法の意味と具体例

帰納法とは簡単に言えば、いくつもの具体的な経験から得られたことから共通点を見つけ、理論や法則を作ることです。

帰納法の図

演繹法が抽象から具体へと抽象度を下げる方法だったのに対し、帰納法は具体から抽象へと抽象度を上げる方法である点に特徴があります。

いくつか種類がありますので、簡単に例とともに説明します3戸田山、前掲書49-52頁など



■帰納法の具体例

帰納法①枚挙法

枚挙法とは、すべての事例を取り上げて法則化する方法
A1はBである
A2はBである
A3はBである

すべてのAはBであると考えられる
例)このカラスは黒い、あのカラスも黒い、、、ゆえにすべてのカラスは黒いと考えられる

帰納法②類推(アナロジー)

類推(アナロジー)とは、類似の事例から結論を予測する方法

AはBである
CはAと似ている
ゆえに、CはBであると考えられる

例)羊は哺乳類である。ヤギは羊と似ている。ゆえに、ヤギは哺乳類と考えられる。

帰納法③アブダクション

アブダクションとは、とある変則的な現象が起こった理由について、とある仮説を立てると説明できる場合、その仮説は正しいと考えられる、と予測する方法

とある事実Aが観測されている
Bという仮説を立てるとAが説明できる
ゆえに、仮説Bは正しいと考えられる

例)長年対立してきたA国とB国が同盟を結んだ。AB間の同盟は、C国の核開発にあると考えられる(仮説)。他に説明できる仮説がないため、この仮説は正しいと考えられる

どれも、経験的に(つまり自分の目で見て)観測した事実から、法則性を導き出す方法であるということが分かると思います。このように、個々の個別的な命題から普遍的な命題を導き出すのが、帰納法なのです。

代表的な「枚挙法」から説明すると、A1はBである、A2はBである、というのが個々の経験によって導き出される命題(個別的命題)です。つまり、目の前にいるカラスを見て、「これも黒い」「あれも黒い」と経験的に命題を得ることです。

ここから、「(おそらく)すべてのカラスは黒い」という普遍的命題を得る、つまり法則を導き出すのが帰納法です。

日常的にも「昨日は勉強すると眠くなった」「今日も勉強すると眠くなった」「おそらく、自分は勉強すると眠くなる体質なんだろう」のように自然に使うことがあると思います。

このように、経験的に得られる命題から普遍的な命題を導き出すことが、帰納法なのです。

帰納法は、経験論哲学者であるフランシス・ベーコン(1561年ー1626年)がその原型を作ったため、ベーコン流帰納法とも言われます。

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2-2:帰納法の特徴

上記の例を見て、「あれ、これって正しいと言えるのかな?」と思った場合は鋭いです。

帰納法の場合、演繹法のように前提が正しければ結果も必ず正しくなるとは言えないのが特徴なのです。

たとえば、「枚挙法」で分かるように、「あのカラスは黒い」「このカラスも黒い」という事実をどれだけ積み重ねたところで、「すべてのカラスが黒い」とは言えません。

世界に1匹でも「白」や「灰色」のカラスがいたら、「すべてのカラスが黒い」とは言えないからです。

しかし、実際にすべてのカラスが黒いかどうか調べ尽くすことは不可能です。

そのため、帰納法は演繹法のように、論理的に必ず正しいという答えを導くことができないのです。

したがって、帰納法はどこまで言っても「確からしい」という蓋然性を高めることしかできないのです。

そこで1章の最後に出てきた演繹法を使えば必ず正しい結論が得られるなら、研究では必ず演繹法を使うべきだ」という主張が出てくるのですが、帰納法は知識を拡張できる長所があります。

演繹法は前提に結論となるものが含まれているものでしたが、帰納法の場合、前提には含まれていない新しい知識(すべてのカラスは黒い、など)を導き出せます。

そのため、たとえ論理的に必ず正しいことではなくても、帰納法によって新たな仮説を導き出していくことはとても大事なのです。

このように、演繹法と帰納法には一長一短があるため、両方を組み合わせて使うことが大事なのです。組み合わせて使う方法をこれから説明します。

2章のまとめ
  • 帰納法とは、個別的な出来事や事例から普遍的な法則や結論を導き出すもの
  • 帰納法は、論理的に必ず正しい結論が導き出せない問題がある
  • しかし、新たな知識が得られる点に長所がある
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3章:仮説演繹法

帰納法と演繹法を組み合わせた推論の方法が、仮説演繹法です。

仮説演繹法(hypothetico-deductive method)とは、帰納法によって仮説を提示し、仮説から「予測」を演繹し、その「予測」を実験によって確かめる方法のことです。

具体的には、以下の流れで論証していく方法です。

  1. 観察による問題の発見
  2. 問題に対する仮説を作る(帰納)
  3. 仮説から実験可能な命題である「予測」を演繹する
  4. 「予測」を実験によって検証もしくは反証する
  5. 実験結果に基づいて仮説を受け入れるか、修正する

戸田山和久の『科学哲学の冒険』という本では、仮説演繹法の代表例として「産褥熱(さんじょくねつ)」を用いて説明されています。とてもわかりやすいので、この例を元に解説します。

「産褥熱」とは、イグナッツ・フィリップ・ゼンメルワイス(Ignaz Philipp Semmelweis)という医師によって「手を洗うことで感染症が防げる」ということが明らかにされた例です。

■仮説演繹法の例:産褥熱

医師のゼンメルワイスは、自分の病院で以下の事実を経験的に得ました。

  • 多くのお産した女性が産褥熱で死亡していた
  • しかも、産婆より医師が立ち会った場合の方が、女性が死亡することが多かった
  • 医師は、解剖などで死体を触ることが多かった

まず、これが「①観察による問題の発見」です。

この事実から帰納法によって、死体に含まれる物質が体内に入っており、それが産褥熱の原因になると考えました。これが「②問題に対する仮説を作る(帰納)」です。

次に、「お産の前に手を洗うことで発生率が防げるかもしれない」という仮説を立てました。これは実験によって確かめることができるため「③仮説から実験可能な命題である予測を演繹する」です。

これは予測であるため、実験して確かめる必要があります。そこで、実際に手洗いを行って発生率を検証したところ、産褥熱の発生を抑えることができました。

これが「④予測を実験によって検証もしくは反証する」です。

こうして、手洗いという実験によって「予測」の確かさが分かったため、「仮説」が正しかったことが分かります。もし実験によって「予測」が間違っていることが分かれば、それは「仮説」が間違っていたことになります。

こうした手続きを経て問題の解決を図る推論の方法が、仮説演繹法です4※参考:戸田山和久の『科学哲学の冒険』(NHKブックス)

思い出していただきたいのですが、演繹法には「新しい知識が得られない」問題があり、帰納法には「必ず論理的に正しいとは言えない」という問題がありました。

しかし、仮説演繹法を使うことで、新しい知識が得られて、かつ論理的にも正しいことが言えることになるのです。

仮説演繹法

ただし、仮説演繹法にも問題がないわけではありません

仮説演繹法も実験によって確かさを確認するのですから、100%予測が正しいとは言えず、一定の範囲で「確からしい」としか言えないのです。

産褥熱の例の場合は、手洗いという実験によって「発生率が抑えられた」としていますが、100回手洗いして発生率が抑えられても101回目の手洗いでは発生率が抑えられないかもしれません。このような可能性を、論理的にはゼロにすることができないのです。

とはいえ、演繹法の「新しい知識が得られない」という特徴をカバーする点で、やはり仮説演繹法はより進歩した手法なのです。

3章のまとめ
  • 仮説演繹法は、帰納法によって仮説を作り、演繹法によって仮説から実験可能な予測を導き出し、その予測を実験によって確かめる手法
  • 仮説演繹法は、演繹法と帰納法の短所をカバーしあえる
  • しかし、実験で確かめるため、必ず論理的に正しい答えになるとは言えない

4章:実際の研究で演繹法・帰納法を使う場合の注意点

さて、ここまで演繹法と帰納法の一般的な解説をしました。しかし、実際にはこれらの方法を自分の研究対象にマッチさせて活用できなければ意味がありません。

いわゆる理系と言われる自然科学、工学などの実験が可能な領域の場合、演繹法、帰納法、仮説演繹法などの方法はある意味シンプルに使うことができます。

しかし、社会学、経済学、政治学といった社会科学の領域や経営学などの現実の社会を対象にしたリサーチの場合、演繹法、帰納法、仮説演繹法などの利用する場合には、注意が必要です。

4-1:帰納法の問題

「帰納法」を実際に使う場合、たとえば以下のような利用法が考えられます。

  • 問い:第二次世界大戦後に急速に経済成長を成し遂げた国家が、なぜ成長できたのかを知りたい
  • 事例のピックアップ:戦後に急速な成長を遂げた国をピックアップし、成長できた要因をピックアップして事例研究する
  • 要素の抽出:成長に貢献したと考えられる要素A~Eをピックアップ
  • 検証:成長できた国は、すべて要素A(たとえば民主主義的な政治体制)を持っていたことが分かった

これは帰納法によって「問い」を明らかにしようとした例ですが、「これは論理的に正しいの?」と疑問を持ちませんか?

もし、本当に要素Aによって成長できたかどうかを検証しようと考えたら、他の条件を不変にして要素Aのみで成長が成し遂げられるか実験しなければなりません。しかし、社会を対処うにした領域ではこれが困難です。

また、成長に貢献した要素は無限に抽出可能ですので、上記の抽出が正しいとも言えません。さらに、実社会ではさまざまな要素が影響し合っているため、それぞれの要素が独立しているとも限りません。

このように、社会科学の領域は実験が難しく対象が複雑であることから、帰納法を使うことに注意が必要なのです。



4-2:演繹法の問題

社会科学の領域では、演繹法にも問題があります。

演繹法は、前提(普遍的命題)から結論(個別的命題)を引き出すものでしたが、社会科学ではこの「前提」とするものが必ず正しいとは言いがたいことが多いです。

たとえば、

  • 限界効用は逓減するという経済学の前提
  • 国際社会はアナーキーであり、国家はパワーを手段として行動するというネオリアリズムの前提

など、必ず前提が正しいとは言えません。そのため、このような前提から導き出した結論も正しいとは言えません。

これは一例ですが、社会科学の多くの領域では正しいと言える前提が見つけられないために、演繹法も活用する上で注意すべきなのです。

「じゃあ結局、どのように使ったら良いの?」と疑問かもしれません。

結論を言えば、社会科学では論理的に100%正しいと言える結論を導き出すのは難しい、という前提のもとで、さまざまな推論の長所短所を理解し、組み合わせて使っていく、というのが答えです。

そして、論理的正しさを高める方法については過去に様々な研究がなされ、その方法論がまとめられた良書があります。最後に演繹法、帰納法を応用発展させた方法論が紹介されている、おすすめの本を紹介します。

5章:演繹法・帰納法が学べるおすすめ本

これから紹介する本は、演繹法、帰納法を含むさまざまな研究手法が紹介された良い本です。社会学、政治学、経済学、経営学などの社会科学を学ぶ方や、会社で何らかのリサーチをしなければならない方におすすめです。

おすすめ本

保城広至『歴史から理論を創造する方法ー社会科学と歴史学を統合するー』(勁草書房)

この本は、社会科学の「恣意的に事例をピックアップして理論化しがち」という問題と、歴史学の「記述重視で理論化を軽視しがち」という問題をクリアする、「中範囲の理論」という方法を提唱している本です。とても良い本なので、方法論を学びたい方は必読です。

久米郁男『原因を推論するー政治分析方法論のすすめー』(有斐閣)

この本は「政治学」という副題が付いていますが、実際にはあらゆる社会科学の研究に共通する方法論について解説しています。初心者でも問題なく読める内容なので、ぜひ読んでみてください。

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戸田山和久『科学哲学の冒険ーサイエンスの目的と方法をさぐるー』(NHKBOOKS)

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まとめ

最後にこの記事の内容をまとめます。

この記事のまとめ
  • 演繹法とは、前提(普遍的命題)から結論(個別的命題)を導き出す方法
  • 帰納法とは、複数の個別的事実から結論を導き出す方法
  • 仮説演繹法とは、演繹法と帰納法を組み合わせたもの

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