政治的出来事や仕組みを知るために、映画から入るのは一つの選択肢です。
もちろん、真剣に政治を理解しようと思うなら書籍で学ぶ必要がありますが、イメージを描くことは政治を学ぶ助けになります。
この記事では、私がこれまでに見てきた政治をテーマにした映画の中から、その政治的出来事がよく描かれており、かつ映画としても最高に面白いものをピックアップしました。
以下のように種類別に分けて紹介しているので、興味のあるものからぜひ観てみてください。
- 「現代」の重要な政治的出来事を扱った洋画→1章
- 「戦中・冷戦時」の重要な政治的出来事を扱った洋画→2章
- 「日本」の政治的出来事を扱った映画→3章
- 「政治経済」の映画→4章
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1章:おすすめ政治映画:洋画編(現代)
まずは、政治映画の洋画で現代を扱ったものを紹介します。
女神の見えざる手
『女神の見えざる手』(2016)は、アメリカのロビービジネスを手がける天才的女性ロビイストの主人公が、ライフル業界と対決する映画です。
■あらすじ・背景
敏腕ロビイストの主人公エリザベス・スローンは、ライフル業界からのロビーイングを依頼されます。しかし、スローンはこの依頼を断って、銃規規制派で元の会社より小さなロビー会社に移籍。
そこで、ライフル業界に対抗するロビー活動を開始するのですが、ライフル業界は強大でさまざまな困難が待ち受けていました(そのため、映画はスローンが窮地に追い込まれたところからはじまります)。
内容はフィクションですが、日本では盛んではない一方、アメリカの政治には盛んに登場するロビー活動についてイメージできる映画です。
内容は、最後になって「そうなるのか!」と驚くような展開です。私としてはとても面白かったので、政治やロビーに興味がなくてもぜひ観ていただきたいです。
バイス
『バイス』(2018)は、子ブッシュ政権で史上最も権力を持った副大統領と言われたディック・チェイニーを描いた映画です。
■あらすじ・背景
チェイニーは1960年代に電気工から政界に転身し、ラムズフェルド下院議員(当時)の元で政治を修業。そして、政治を学ぶ中で徐々に権力にとりつかれ、妻の協力もあり出世を重ね、ブッシュ政権では副大統領として巨大な権力を持ちます。
そんなチェイニーの政治人生を、いかにもハリウッド的な軽妙さで描いたのが『バイス』です。
チェイニーは陰の大統領と呼ばれるほど権力を手にした一方、「最悪の副大統領」と呼ばれるほど非難されることも多い人物です。2001年の同時多発テロの対応を大統領の替わりに行い、イラク戦争で私腹を肥やしたとも言われます。
そんなチェイニーが2000年代のアメリカ政治にどんな影響を及ぼしていたのか、裏側を学ぶのに役立ちます。
ちなみに主役のクリスチャン・ベールは、映画のたびに驚くほどの役作りをすることで有名で、『マシニスト』、『バットマン・ビギンズ』3部作、『マネーショート』なども主演している俳優です。『バイス』でも彼とは思えないほどの役作りをしています。
映画はエンタメっぽい軽妙な雰囲気で軽い気持ちで見られるので、ぜひ観てみてください。
アメリカン・スナイパー
『アメリカン・スナイパー』(2014)はクリントイーストウッド監督による、実在の伝説のスナイパーの姿を描いた伝記映画です。
■あらすじ・背景
30歳でアメリカ特殊部隊のネイビーシールズに入隊したカイルは、同時多発テロ以降にイラクに派兵され天才的な狙撃の腕前で活躍します。
しかし、戦場で凄惨な経験をし友人を失ったカイルは心を病み、家族との関係を悪化させました。少しずつ治療プログラムを受けて快復していくも、、
主人公は天才的な腕前を持っていますが、ハリウッドのヒーローではなく実在の人物です。そのため、戦場の経験が心を荒ませ、平和な日常に戻っても苦しい生活が続きます。
クリスカイルの自伝が元になっているため、脚色はあるとしてもこんなことが現実に行われていたのか、こんな人が実在したのか、と驚くと思います。
衝撃のラストも事実通りです。あなたの心にも深く残るでしょう。
スノーデン
『スノーデン』(2016)は、アメリカ政府の個人情報の監視を暴いた「スノーデン事件」を描いた映画です。
※スノーデン事件とは、アメリカ国家安全保障局 (NSA) と中央情報局 (CIA) の元職員で、政府の情報収集活動を行っていたエドワード・スノーデンが、アメリカ政府が行っている国際的規模の監視体制の秘密を暴いた事件です。
■あらすじ・背景
元CIA職員で国家安全保障局(NSA)に務めていた29歳のスノーデンは、愛国者で優秀な職員でした。しかし、スノーデンは働く中で監視社会を強化していく政府の姿に危機感を持っており、10年近くの時間をかけて史上最大の内部告発を行います。
告発に至るまでの彼の心情の変化や恋人との関係などが忠実に描かれています。
「スノーデン事件」は多くの人にとって「聞いたことはあるけれど、結局何のことかよく知らない」というものではないでしょうか。
この映画を見ればどういう事件だったのか分かるため、勉強になります。もちろん映画としてもとても面白い作品です。
パトリオットデイ
『パトリオットデイ』(2016)は、アメリカで2013年に起きたボストンマラソン爆破テロ事件と、テロリストを逮捕するまでの警察官の姿を描いた映画です。
■あらすじ・背景
2013年5月、ボストンマラソンの最中に爆破テロ事件が発生。ボストン警察の刑事とFBI捜査官が犯人を追い詰め、逮捕に至るまでの緊迫の100時間を描いています。
ボストンマラソンテロ事件は、まだ私たちの記憶にも新しいです。パトリオットデイ(愛国者の日)に起こった衝撃的なテロの顛末を、事実に基づいて描いています。
犯人はイスラム過激派との関与が疑われましたが、実際は関係がなく、ネットの情報で爆弾を作って計画しテロを起こしたのでした。
アメリカ、イスラム、テロという現代的な政治テーマを扱った良い映画です。
ブレグジット EU離脱
『ブレグジット EU離脱』(2019)は、2016年にイギリスがEU離脱を決めた国民投票の裏で行われていた政治的駆け引きを、ベネディクト・カンバーバッチ主演で描いた映画です。
■あらすじ・背景
2016年のイギリスでは、EU離脱を国民に問う国民投票の裏で、「離脱派」と「残留派」がせめぎ合っていました。
主人公の政治戦略家ドミニクは、離脱派から、国民投票での支持を拡大させて欲しいと依頼されます。ドミニクはデータを使った高度な分析によって戦略を立て、離脱キャンペーンを行いますが、、
この「ブレグジット」の国民投票の結果は、よく知られているように離脱派の勝利でした。
しかし、その裏でこのような戦略が取られていたことを多くの人は知らないのではないでしょうか。
イギリス政治の内情や「データ分析」という現代的な手法が政治に取り入れられていることなど、勉強にもなります。
2章:おすすめ政治映画:洋画編(歴史)
次に、第二次世界大戦中や冷戦中の時代を扱った政治ものの洋画を紹介します。
大統領の執事の涙
『大統領の執事の涙』(2013)は、ホワイトハウスに34年間勤務した黒人のウェイター、執事である、実在の人物「ユージン・アレン」をモデルにした映画です。
■あらすじ・背景
主人公のセシルは綿花畑で働く黒人奴隷の息子で、目の前で白人に父親を殺された経験を持っていました。その後ホテルのボーイとして働いていたところをホワイトハウスの執事の抜擢され、その後34年間務めることになります。
差別撤廃に向けた政策やその政策への反発といった政治的な出来事や、彼と彼の家族の物語が描かれています。
主人公セシルがホワイトハウスで執事をはじめた時代は、あからさまな黒人差別があった時代でした。しかし、1960年代ごろからアメリカは差別撤廃のための政策を進めていきました。
そんなアメリカの政治史がセシルの目を通して描かれています。
家族の物語としても感動的で、とてもドラマチックな映画です。ぜひ観てみてください。
ペンタゴン・ペーパーズ
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017)は、ベトナム戦争が泥沼化していた1970年代のアメリカで、アメリカ政府が戦争を分析した秘密文書をスクープした、政治とジャーナリズムの対決の物語です。
■あらすじ・背景
ベトナム戦争が泥沼化し反戦運動も強まっていた1971年、ニューヨークタイムズがベトナム戦争の秘密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を入手しました。
しかし、スクープは政府から差し止め請求され、次記事にすると違法行為になってしまう。そこでワシントンポストのキャサリンは掲載に悩み、社内でも強く反発されつつも、記事の掲載を決断します。
「ペンタゴン・ペーパーズ」という報告書は、アメリカの秘密工作や、ベトナム戦争に不十分な兵力で介入していったことなどが分析された、秘密文書です。
つまりこれが公開されることは、当時のニクソン政権にとって非常に都合の悪いことだったのですが、それをスクープしたのがニューヨークタイムズだったのです。
すでに50年近く前の政治的な出来事ですが、当時のアメリカが置かれた状況や政府とジャーナリズムの関係等について、イメージできる良い映画です。
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ハンナ・アーレント
『ハンナ・アーレント』(2012)は、ユダヤ系の哲学者アーレントが、ユダヤ大虐殺を指揮したアイヒマンの裁判を取材し、アイヒマンの姿を世界に主張する映画です。
■あらすじ・背景
ユダヤ系哲学者アーレントは、迫害を逃れるためにアメリカに移住し、ナチスドイツに関する研究を行った著名な哲学者です。1961年、ユダヤ人の大量虐殺を指揮したナチス先般のアドルフ・アイヒマンが逮捕され、イスラエルで裁判が行われることになりました。
アーレントは裁判を傍聴してアイヒマンの姿を世界に主張したのですが、その内容は、ユダヤ人にとっては「アイヒマンを擁護している」ように見えたため、強く批判されます。それでも、アーレントが自己の主張を貫き通す姿が描かれています。
アイヒマンが裁かれた「アイヒマン裁判」は、世界的に有名な政治的出来事です。
アーレントは、ユダヤ人たちがアイヒマンを「極悪人」と思いたいのに反し、ユダヤ系でありながらアイヒマンを「凡人」として記事を書きます。
その結果ひどく批判され、かつての仲間・友人からも縁を切られるのですが、それでも自分の主張を曲げないアーレントの姿は勇気づけられます。映画としてとても良くできていると思います。
アイヒマンを追求した検事長フリッツ・バウアーを描いたのが『アイヒマンを追え』です。バウアーの人間像がよく描かれています。
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ナチスに関連して、ナチスドイツの最後を描いた『ヒトラー最後の12日間』という映画もあります。これも、ナチスやヒトラーを極悪非道な存在として描いてはいません。ナチスを特殊な極悪人の集まりとしてではなく、私たちと同じ人間として描き、そんな同じ人間でもさまざまな条件に規定されると、最悪の行為をしてしまう。そんな姿を描いています。
シンドラーのリスト
『シンドラーのリスト』(1993)は、スピルバーグによる実話をモデルにした映画で、ナチスによる大量虐殺から1200人ものユダヤ人を救ったシンドラーを描いています。
■あらすじ・背景
ナチ党員であった実業家シンドラーは、ポーランドで工場を購入してユダヤ人を雇用していました。シンドラーも当初は金儲け主義だったのですが、周囲でナチス親衛隊によるユダヤ人の虐殺を目にするうちに心情が変化します。
やがてナチスドイツはユダヤ人をアウシュヴィッツなどに輸送するようになりますが、シンドラーはユダヤ人を守るために1200人を労働力という名目で確保して守ります。
ユダヤ人を守っていることがばれたら、シンドラー自身にも危険が及ぶのは言うまでもありません。しかし、シンドラーは危険を顧みずにユダヤ人を工場で守るのです。
テーマは重く、軽い気持ちで観ると苦しくなるかもしれませんが、人生で一度は観るべきだと思います。
映画史上に残る傑作です。
ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2018)は、ナチスの脅威から「イギリスの国土が戦場になる」ことが現実的になる中で、政策に揺れつつも政治を導いていく首相チャーチルを描いた映画です。
■あらすじ・背景
舞台は1940年のイギリス。第二次世界大戦が勃発し、イギリスにとってナチスドイツが最大の脅威になります。イギリス・チェンバレン政権はナチスに宥和的な政策をとって失策したため辞任し、チャーチル政権が誕生します。
チャーチルは、主戦派(ナチスと戦うべき)という立場であったものの、政府内で反発され、抗戦すべきか講和すべきか揺れ、周囲と衝突。しかし、様々な出来事を通して当初の姿勢を貫き通していきます。
歴史を見ればどのような結末になるのか分かってしまいますが、結末を知っていても、結末に向けて盛り上がる演出で面白いです。
演出上のフィクションもありますが、チャーチルという人物や当時のイギリスが置かれた状況を学ぶことができます。
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物語の中で一つのキーとなる「ダンケルクの戦い」が出てきますが、この戦いは名監督クリストファー・ノーランによって映画化されています。映像美がすごいのでこちらもぜひ。
同じ時代をイギリス国王ジョージ6世の側から描き、アカデミー賞作品賞などを受賞した『英国王のスピーチ』も名作です。政治的な背景はあまり出ず、吃音の国王が国民を鼓舞するスピーチができるようになるまでを描いた映画です。チャーチルも少し出てきます。
ちなみに、『チャーチル』の方の映画でも、ジョージ6世は気弱そうな国王として何度も登場しています。
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(2011)は、イギリス初の女性首相であるマーガレット・サッチャーの若年期から首相退陣までを描いた映画です。
■あらすじ・背景
サッチャーが首相に就任する前のイギリスは、「英国病」と言われる低迷期にありました。戦後のイギリスは、国家が積極的に経済に介入する福祉国家的・ケインズ主義的政策を行ってきたのですが、それが無駄、非効率であると批判されるようになります。
そして、経済低迷の打破のために首相に就任したのがサッチャーです。
サッチャーは「公共支出削減」「労働組合との対決」など大胆な政治(サッチャリズム)を行うのですが、それゆれに強い反発も招いていき、テロに遭遇したことも。それでも強い姿勢を崩さす政治をリードしますが、保守党内のサッチャー下ろしの動きから辞職します。
そんなサッチャーの政治人生を、回想とともに描いた映画です。
サッチャーの評価は現代でも分かれていますが、映画の中ではまさに「鉄の女」として改革を断行していく姿が描かれています。
サッチャーの実際の評価はともあれ、イギリス政治の学びにもなりますし強い姿勢を一貫させる姿には勇気づけられます。ぜひご覧ください。
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ホテル・ルワンダ
『ホテル・ルワンダ』(2004)は、1994年にルワンダで起こった「ルワンダ虐殺」の中で、ホテルに難民をかくまって守ったホテルマンの実話から作られた映画です。
■あらすじ・背景
1994年、フツ族の過激派はツチ族を120万人以上虐殺しており、ツチ族はフツ族過激派から逃げて難民になっていました。虐殺が行われていることを知ったホテル副支配人の主人公は、フツ族の難民をかくまうことを決め、1200人以上を救います。
1994年という四半世紀程度しか経過していない時代に、ルワンダでは信じられないほどの大虐殺が行われていたのでした。そんな中で勇気を持った主人公が、自分にできることを全うした姿は勇気づけられます。
映画として間違いなく傑作なのでぜひ観てください。
3章:おすすめ政治映画:日本映画編
3章では日本の政治映画を紹介しますが、日本の政治映画は多くはありません。その中で特に名作と言われるもの、個人的に記憶に残っているものを紹介します。
小説吉田学校
『小説吉田学校』(1983)は、日本の戦後の保守政権内権力闘争を描いた映画です。
吉田茂、三木武吉、鳩山一郎、池田勇人、佐藤栄作など戦後政治の代表的人物が次々と登場し、日本の戦後政治史を描きます。少し古い映画ですが、日本の戦後政治がどのように展開したのか、55年体制はどのように成立したものなのか、よく知ることができます。
他にこのような映画、ドラマはないためとても貴重です。
官僚たちの夏
『官僚たちの夏』(2009)は、戦後の日本の通商産業省の官僚たちの姿を描いた、同名小説をモデルにしたドラマです。
日本は敗戦後、通産省(現経産省)が産業界を主導して高度経済成長を遂げ、急速に国民が豊かになっていったことはよく知られている通りです。そんな官僚の姿を描いた名作小説が『官僚たちの夏』で、2009年に佐藤浩市主演でドラマ化されました。
敗戦後の通産省内において、戦後復興を成し遂げるために必死で働いた官僚たちの姿が熱く描かれています。
城山三郎の小説には名作が多いので、ぜひ原作も読んでみることをおすすめします。
4章:おすすめ政治映画:政治経済編
4章では、経済面を描いた政治経済的テーマの映画を洋画、邦画を順番に紹介します。どれも面白かったですが、『マネーショート』は記憶にも新しいリーマンショックを描いているので、その裏でこんなことが行われていたのか、と学びになりました。
マネーショート
『マネーショートー華麗なる大逆転ー』(2015)は、2008年に起こったリーマンショックの裏で経済破綻を予期し、大もうけした投資家たちの姿を描いた映画です。
リーマンショックが起こった原因は金融面の仕組みがないとちょっとややこしいのですが、極めて簡単に言えば以下の流れで起こった出来事です。
- アメリカでは2000年頃から住宅価格が上がり続け、低所得者でもローンを組んで住宅を購入できた(サブプライムローン)。また住宅バブルが起きていた。
- 低所得者にローンとしてお金を貸しているローン会社は、お金が返ってこなくなるリスクを抱えたくないため、債券(お金を貸している権利)を銀行に売った。
- 銀行もリスクを抱えたくないため、サブプライムローンを他の低リスクの商品とごちゃまぜにし(証券化)売り出した。
- 投資家は、利回りが良いためサブプライムローンが入った証券を買う、またローン会社はどうせ債券を売れば良いため、返済能力がない人にもローンを組ませた。さらに証券のリスクをレベル分けする格付け会社は、金融機関との癒着により、ずさんな格付けを行っていた。
- 住宅バブルの崩壊によってこうした商品の価値がなくなり、金融市場が大混乱し巨額のローンを引き受けていたリーマンブラザーズ(銀行)が破綻(リーマンショック)。世界的な金融危機へ。
こうした一連の出来事について、当時は誰も予期できていませんでした。しかし、それに気づいたのが『マネーショート』主人公のトレーダーであるマイケルです。
マイケルやそれに追従した投資家たちは、この金融危機を利用してウォール街を出しぬこうと、クレジットデフォルトスワップ(CDS)という仕組みを活用します。
金融界の変人たちが手を組んで巨額の利益を得ていくプロセスが、軽妙に描かれています。とはいえ、株、債券、ローンなどの最低限の知識がなければ、内容についていけないかもしれません。
上記のリーマンショックの流れを頭に入れつつ観てみてください。
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インサイド・ジョブ世界不況の知られざる真実
『インサイド・ジョブー世界不況の知られざる真実ー』(2010)は、リーマンショックなどの世界不況の実態をインタビューを中心にして描いたドキュメンタリー映画です。
エンタメ映画ではなく、世界不況の実態を記録した映画です。
伝説的投資家ジョージ・ソロス、経済学者で元FRB議長のポール・ボルガーやシンガポール首相、IMFの元主席エコノミスト、経済学者などそうそうたるメンバーが出演し、金融危機の裏側を忠実に描いています。
純粋に当時の政治・経済の裏側を勉強できる内容なので、ぜひ観てみてください。
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まとめ
政治映画は少ないですが、面白い映画が多く、ニュースや教科書に出てくるような出来事の裏側を知ることができます。
もちろん事実と違う演出も多いため、このサイトで紹介している他の記事や書籍をあわせて参考にしてください。
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この記事で紹介している映画も無料タイトルに入っているため、ぜひ加入してご覧ください。